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「全日本剣道連盟居合(解説)」を読む 42011/09/13 20:31

柄当て

 前の敵を柄で打って、その間に後ろの敵を突くという業が三本あります。後ろの敵は全て「水月」をつきますが、前の敵を打つ位置はそれぞれ異なります。

 「全日本剣道連盟居合(解説)」の(動作)より、各業の打つ箇所を抜粋します。

【四本目】「柄頭」で正面の敵の「水月」に
【八本目】「柄頭」を敵の両眼の間に
【十本目】敵の右こぶしを 〜中略〜 柄の平で

 さらに【四本目】と【八本目】では後ろの敵に振り向く時の動作が異なります。

 「全日本剣道連盟居合(解説)」より
【四本目】鞘だけ後方に引きながら後ろの敵に振り向き
【八本目】直ちに後ろの敵に振り向きながら「鞘引き」をする

 【四本目】では鞘を引きながら後ろを振り向くのに対して、【八本目】では振り向くのが先になっています。

 何故振りむくタイミングが異なるか、解説書には書かれていません。
 おそらく行間を読め、という事なのでしょう。
 双方の業の柄当の位置の違いが、この差を生むのかもしれません。

「全日本剣道連盟居合(解説)」を読む 32011/09/12 21:32

切る場所

 抜きつけ・抜き打ち・袈裟切り等は、切る場所を厳密に指定されています。

 「全日本剣道連盟居合(解説)」の(動作)より、各業の斬りつける部所を抜粋します。

抜きつけ
【一本目】「こめかみ」めがけて
【二本目】「こめかみ」めがけて

抜き打ち
【六本目】右斜め面からあごまで
【七本目】頭上からあごまで
【九本目】右肩口から左脇腹まで

袈裟切り
【三本目】左肩口から袈裟に
【五本目】右脇腹から逆袈裟に/左肩口から袈裟に

その他
【十一本目】左斜め面からあごまで/右肩口から水月まで
      左脇下からへそまで/右腰腹部から左腰腹部


 前回の記事で書きましたように、制定居合の仮想敵は自分と同じ体格を想定しています。

 何も無い空中で敵の大きさを想定し、正しい位置に切先を止めるのは意外と難しいものです。一度、壁に自分の顔や水月の位置をマークして、切先を合わせてその高さを覚えるのが良いかもしれません。

 先生から「抜き打ちが高すぎる!」と注意されたときは
  「チェ・ホンマンがいきなり襲ってきたので…」
 と言ってみるのも吉かもしれません。
 注意される内容にあわせて池乃めだか、彦摩呂等二三人見繕っておきましょう。

 その後、先生に袈裟に抜き打ちされても、当方は責任を取りませんのであしからず。

「全日本剣道連盟居合(解説)」を読む 22011/09/11 11:08

仮想敵について

 制定居合において敵は「仮想的」とも呼ばれ、身長・体重・年齢・体力等、演武者と同じ想定とされています。

 ただし「全日本剣道連盟居合(解説)」には仮想敵という文言はなく敵の定義についても記載はありません。

【一本目】前に一人
【二本目】後ろに一人
【三本目】左に一人
【四本目】前に一人、後ろに一人
【五本目】前に一人
【六本目】前に二人、後ろに一人
【七本目】三人(前右左)
【八本目】前に一人、後ろに一人
【九本目】左に一人
【十本目】四人(四隅)
【十一本目】前に一人(?)
【十二本目】前に一人

 計二十一人の敵に対峙します。

 一日の稽古で10セット稽古すれば 210人。
 週2回するとして一年52週では、21、840人切る事になります。
 切り過ぎです。お盆にはしっかり供養してあげましょう。

 【十一本目】については、五人の敵を次々と切るという解釈や、そもそも刀法の鍛錬の形であり実際の敵対動作を想定したものではないという説明もあるようなのですが、解説書の(概要)を読むと一人の敵に対しているように読めますので「前に一人」としています。

 この二十一人の敵に対して
  ・切下して勝つ(袈裟を含む)十五人
  ・突きで勝つ 五人
  ・抜き打ちで勝つ 一人

 抜き打ちのみで勝ちを得るのは、【七本目】の右の敵だけになります。

「全日本剣道連盟居合(解説)」を読む2011/09/10 16:12

柄への手のかけ方について

 「全日本剣道連盟居合(解説)」の(動作)より、各技の柄への手のかけ方部分の抜粋です。

【一本目】静かに刀に両手をかけて鯉口を切り、
【二本目】静かに刀に両手をかけ、
【三本目】両手をすばやく刀にかける。
【四本目】すばやく刀に両手をかけて
【五本目】すばやく刀に両手をかける、
【六本目】刀に両手をかけ、
【七本目】刀に両手をかける。
【八本目】刀に両手をかける。
【九本目】刀に両手をかける。
【十本目】刀に両手をかける。
【十一本目】刀に両手をかける。
【十二本目】すばやく刀に両手をかけ、

 「静かに」手をかけるのが一本目と二本目。
 「すばやく」手をかけるのが三、四、五、十二本目。
 残りの六本については特に指示がありません。

 この三種類を、どのように表現するか考える必要があると思います。

 自分が演武する際は、「静かに」は肘から先だけを動かす感じで、指示がないものは自然に腕を動かすような意識をしています。

 特に「すばやく」が乱暴な動きにになったり、ビクっとした動きにならないよう注意する必要があると思います。

台風でも稽古2011/09/05 15:47

 台風が近づいている影響か、先週末の稽古に出てきたのはほんの数人。
 マァ、この雨風ではしょうがないですね。

 最近、ようやく少しは「切り」が良くなってきたかな、と自分でも思うのですが、素振りでは良いものの、業の中での切り下ろしがどうも上手くいきません。

 思うに、その場での素振りは自身の体軸の移動が少ないので何とかなっているのでしょうが、業の中では大きく体軸が移動しながらの切り下ろしである為、その軸の動きに引きずられて身体が安定しないまま切り下ろしているので上手くいかないのでしょう。

 体捌きの後、前足の踏み込みと後ろ足の引き付けで、前への動きのベクトルを下方向への力に変える様なイメージで切り下ろせると良いと思うのですが…。